Notebook を、はじめます。

医療コラムを、と言われてもうまく書けない夜があります。

ガイドラインの引用と、PubMed の文献番号と、学会の用量プロトコル。それらに守られた文章は、たしかに正確で、安全で、誰の役にも立つ。けれど書き終わったあとに、まだ言い残しているものが残る感覚が、ずっと自分のなかにありました。

たとえば、HbA1c が下がった患者さんが「先生、最近ね、孫と動物園に行けたんですよ」と笑ったときのこと。診察室の外で考えていること。土曜の午後に古いゲームセンターで覗き込む筐体の光。読み終わった本の余白に書きつけたメモ。

そういうものを、もう少し、書ける場所がほしいと思いました。

目次

診療室の外にもある、健やかさ

このメディアのキャッチコピーは「健やかさは、診療室の外にもある。」です。コラム本編で書いているのは、診療室の中のことです。だから、ここでは外のことを書こうと思います。

医学的な正確さよりも、人としての温度のほうを優先したい話があります。エビデンスはありません。あるのは、ひとりの糖尿病専門医の、ひとりの人間としての視点だけです。それでも、もしかしたら、誰かの一日の支えになるかもしれない。そう信じて書きはじめます。

このノートについて

不定期です。気が向いたときに書きます。

短い手紙のような回もあれば、ちょっとした随筆のような回もあると思います。患者さんとの会話の断片から始まる回も、休みの日に立ち寄った場所の話から始まる回もあるはずです。

医療コラムのほうは引き続き、各領域の専門医と一緒に、きちんとしたエビデンスベースで書いていきます。Notebook はその裏側で、もう少し肩の力を抜いた言葉を、置いておく場所にしたいと思っています。


読んでくださって、ありがとうございます。

次の Letter で、また。


— 小林 正敬

FOUNDING DIRECTOR · DIABETOLOGIST

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この記事を書いた人

まさぼ内科・糖尿病クリニック飯田橋院 代表理事 / 院長。日本糖尿病学会 糖尿病専門医/日本糖尿病協会 糖尿病認定医/日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医/日本内科学会 認定医制度審議会 病歴要約評価委員/日本老年医学会 老年科専門医・指導医/日本抗加齢医学会 抗加齢専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター。医籍登録番号 第486214号。国立国際医療研究センター国府台病院で内科研修を始めた後、糖尿病内科の道に進み、現在は最新の薬物療法(GLP-1作動薬・チルゼパチド等)と、栄養・運動・漢方を組み合わせた包括的な糖尿病・代謝診療を実践しています。

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